木材の仕上げ技法
FabLab SENDAI – FLATの『Material Finishing Workshop』というワークショッププログラムでは、レーザーカッターや3Dプリンタを使って作られた造形物の“仕上げ方法”を学びます。プログラム第2回では、 宮城県石巻市に工房を構え、無垢の木を使った家具や作品を製作されている木のしごと 樹々 齋藤英樹さんをお招きし、木材の仕上げ技法についてレクチャーをしていただきました。
(協力:木のしごと樹々)
1. 表面をやすりがけする方法
レーザーカッターによる焦げは、まずウェットティッシュ等で拭く。ただし、ウェットティッシュにはアルコール分が含まれているタイプが多いため、表面に水分を吸い込ませすぎないよう注意する。(アルコールは溶剤と一緒)
まずは180番のヤスリで、表面全体に木目に沿って傷をつけるようやすりがけする。細かな傷が消えたら濡れタオルで軽く拭く。表面が毛羽立っていたらそのまま乾くのを待ち、次の番数のヤスリでやすりがけする。(180番→240番→360番の順で行う)
2. レーザーカット時の断面の焦げ処理方法
素材をクランプで固定し、カッターの刃を素材に対して垂直に立て、手前から奥へ動かしながら素材を削る。その際に、刃の中心を両親指で押し出すようにたわませ、刃全体を少し手前に倒すようにすると、カンナ掛けのようにスルスルと素材を削ることができる。(柔らかい刃よりも、バネのようにしなる刃のほうが扱いやすい。)
3. オイルを使った仕上げ方法
『オスモノーマルクリア(オスモカラー)』を使用する場合
適当な布に『オスモノーマルクリア』を染み込ませ、素材にすり込む。尚『オスモノーマルクリア』が染み込んだ布をそのまま捨てると自然発火の恐れがあるため、必ず水に浸してから廃棄すること。(詳しくは商品説明書を参照。)
クルミでオイルフィニッシングする場合
まずはクルミの殻をハンマー等で割って中の実を取り出す。
取り出した実は適当な布で包み、てるてる坊主を作る要領で、輪ゴムでしっかり留める。
かなづちで軽く叩き、布に油を染み込ませる。このとき、土台に木材を使用すると、そこに油分が染み込む可能性があるため注意すること。
布全体に油分が充分行き渡ったら、木地の表面にすり込む。
もしクルミ以外で同様の仕上げを行いたい場合は、クリ、エゴマ、ヒマワリなどを使用すると良い。
(Last Updated: 2022.10.31)